こんばんは。
表題の通り、今夜は間違いなく都市計画とは関係ない雑記となります。公共性、民主制という広い範囲で考えれば、都市計画もマンションの管理も共通する事項は多いとは思いますが。

たまたま最近、不動産関係の方と話をしていて、マンションには町内会はないんですか?と聞かれ、そう言えばないですね。マンションの管理組合がいわゆる町内会に当たるのかな…と。 そういえば…と思いながら答えてました。

マンションの総会の議事録が掲示板に貼ってあったため、大雑把にですが読みました。読んでるだけでも、これは当事者だったら辛いな…と想像がつきました。

と言うより、マンションの管理組合の業務は余りにも高度な専門的な事案が多すぎると常々感じます。そして、議事録を読んでいると、一軒家の町内会とはやはり違う集合住宅ならではの問題も多いなと。

特にうちのマンションは世帯数だけで1000世帯近くある大規模マンションなので、建物躯体、電気設備の維持保守、警備、修繕積立金の運用など高度な実務が迫られます。

これだけでもある程度の人数の事務員、専門技術員がいないと、結局マンションの管理会社へ丸投げ、相談をしていないと不可能なレベルかと、議事録を読んでいて感じました。おそらくそういうサポートも含んだ委託契約を結んでいるのかとは思いますが。

マンションは集合住宅なため、個人の所有、共有、曖昧な部分というのはどうしても出てきます。

都市工学とか土木のブログなので建設・建築からマンションの業務の1つをシミュレーションしてみます。

例えばマンションの躯体にひび割れがあったとし、実務の流れを考えてみます。
躯体の大きなひび割れの原因は、震災による影響やもしくは施工不良が考えられます。
ひび割れというのにも種類がありますが。進行すると小さなひびから雨水が浸透し中の鉄筋まで達し、鉄筋が錆びて膨れたために起こる爆裂は非常にやっかいです。

この実務の流れの概略を書くと、
まずはいきなり、何が原因なのか?どう修繕するか?施工方法は?工事費は?などを調査するために、コンサルタント会社の選定をします。
コンサルタント会社の何社から見積りを取って契約するにしても、設計書、仕様書、契約書は必須となります。
この業務だけでも、建築・土木の担当、法務の担当は最低限必要となってきます。
⑴ コンサルタント会社による調査
(打音検査、目視検査、超音波で内部の鉄筋の調査など)
⑵ コンサルタント会社による設計
(ひび割れのはつりの施工方法、止水する樹脂…また施工方法の検討、概算工事費)
⑶ 設計図面、仕様書、契約書を作成し、施工業者の見積りから選定(いわゆる入札)、契約。

こういったマンションの修繕の1つでも実務量は大変です。

これも管理会社に委託出来るのであればそれでもいいのですが、管理会社が誠意を持って適正な業者選定、施工管理をしてくれるかというと、そこまで期待するのは無理かとも思います。


以前に気になったの修繕案件があります。これはおそらく建設会社と揉めたかもな…もしかしたら顧問弁護士対応案件だっただろうな…という工事がありました。

うちのマンションのロータリーは、車を停車する場所がインターロッキングブロックですが、そこがガタガタしたため補修工事をしました。
細かくは覚えてませんが、またすぐに痛んだため再施工していました。

通常、インターロッキングの場合、砕石の上に砂を均しその上に手作業でブロックを一つ一つ置いていきます。
このインターロッキングブロックは標準仕様がありそうで実はなくて、施工業者も似たようなブロックを入手するのも大変です。
また、ブロックの耐荷重はほとんどが大型車の通過交通は見込んでますが、停車した耐荷重は見込んでないもの、つまり歩道用のブロックがほとんどです。
1回目の施工は通常通り(おそらくマンション完成時と同様の設計)で施工したけど、またすぐにダメになったので、今度はコンクリートを打設してその上にブロックを載せていました。これで問題解決。

おそらくですが、マンション側は、この不良は施工業者の瑕疵にあたるため、再施工をして欲しいと要望をしたでしょうが、施工業者側は図面通りに施工した。これは元々の設計が悪いのではないか?だから会社で再施工の費用は負担出来ない。瑕疵には当たらないと主張してきたと思います。
もしかしたらこれは顧問弁護士のほうが担当したかもしれません。
結局、当初設計が悪いということで、専門家かもしくは施工業者に、コンクリート打設を提案されて、それで完成したのかと思われます。

インターロッキングは手作業なのでm2当たり材工共で1万円もします。これにトラックの賃料といった諸々含めると、結構いい負担の掛かる工事です。

橋本駅南口のバスターミナルの改良工事後、掘った箇所(地中管)が今でもアスファルトで線状にあちこちなっています。その理由として、1つには同じインターロッキングがない、2つ目にまた近いうちに再開発するのだから、全面統一化された高価なインターロッキング舗装をしないでもいいだろう…という事情であれが完成系になったものと思われます。


インターロッキングを掘る工事では、全く同様のブロックがないために、掘る時はブロックは1つ1つ可能な限り丁寧に外し完成時に再利用しているようです。

本題に戻りますが、大規模マンションのような管理組合は、普通の一軒家の町内会とは違って、共有財産の維持管理(建物のメンテナンス、設備の保守)やそれに伴った財産管理等、専門家のアドバイスが必要なしかも重要な案件が多いこととなります。もう町内会というレベルではなく、色々な会社と契約を結ぶため、法務部門といった会社並みの組織、実務まで必要となってきます。

ここまでくるとマンションの管理組合というのは町内会というよりもひとつの組織である一企業や地方自治体に近いものがあるような気がします。


※ 2016.5.27 大規模修繕・免震ゴムの記事を追加しました。
http://ezohiro.blog.jp/archives/3508101.html