こんばんは。
遅くなりましたが続きを徒然書きたいと思います。
前回、不動産全体が当面調整局面を迎える可能性が高いという記事を書きました。

先行指標となる不動産投資指数(REIT指数)が日経平均に比べてやや軟調に推移してることが、その可能性を示唆しています。


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【過去記事】
【橋本駅】2017年橋本駅の今後の地価は…⑴

この半年の日経平均と不動産投資信託指数推移

http://ezhiro.blog.jp/archives/50310959.html

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不動産が下がると都心への回帰現象がより強まるという結論だけ書きました。何故?と疑問の方は調べて頂ければと思います。

人口減少、都心回帰の流れは神奈川県内でも既に始まっています。

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以前tweetした2015年の国勢調査の図です。

特に2枚目を見ると都心回帰への動きがよく分かるかと思います。

この2枚目の写真を見て感じるのが「埼玉県南部の増加が神奈川県に比べて鮮明」
この図は率ではなく1人単位の増加を表している簡易な図なので注意が必要ですが鮮明ですよね。
この社会現象の理由を考察すると「都心からの通勤時間に比べて不動産価格が割安な埼玉県南部が人気」と推測することが出来ます。

※ 神奈川県内では藤沢市の増加が目立ちますが、これは辻堂のテラスモールなどの再開発が主因?なのかなと。ちょうど先週末、辻堂駅を通りましたがまだマンションがボコボコ建設されていました。

今回の不動産の調整局面の大きさなどは、この図を参考に推測出来るかと考えられます。
つまりこの図で流入の大きいエリアは業界が軟調となっても底堅く推移し、流出の大きいエリアは大きな調整が起きる可能性が高いです。

【橋本駅はどうなるか?】


幸いにして橋本駅周辺でも人口増加はやや堅調であったかと思います。
ただ同じ相模原市内でも、都心への利便性如何により強弱は今後強まるかと考えられます。


※ 橋本駅の強弱材料

⑴  リニア開業、再開発期待

⑵  都心へのアクセスは境界線上

⑶  路線価では相対的な割安感はまだあり

⑷  住環境の良さに比べセールス不足

⑸  金融政策、国内不動産が弱含みの兆候

ざっとこんな強弱材料があるかと考えられます。


これは主観ですが、橋本駅の住環境の良さ、コンパクトに利便性が高いことなどは、実際に住んでいる人にしか分かりません。

また、橋本?相模原?と言ってもリニアの駅…くらいの認識しかないのが実情です。

橋本や相模原は実際の利便性や魅力を行政や民間企業など一体となり強くシティセールスすべきかと思います。
また都心回帰、今後の不動産調整局面の影響で、相模原市内でも他都市と同様に、駅からの距離などより利便性の高い地域内移動が起こる可能性が高いと考えられます。

そういった地域内移動を考えると橋本駅周辺は他都市に比べれば、相対的には強含みに推移するものと考えられます。


【雑記】


最近本屋で立ち読みしてて、日本のGDPがアメリカの1/4まで低下しているのを知り驚きました。

90年代は確か1/2程度、00年代では1/3くらいだったかと思います。

相対的な国力の低下の原因の主因は人口問題、構造問題と考えていますが、またインフラ整備といった社会資本投資への誤った価値観も大きいかと思います。

この誤った価値観とは「公共工事、インフラ工事性悪説」のことを言います。リニアや鉄道の改良工事も、性悪説、不要論みたいな風潮が見られます。

こういった社会資本整備というのは、数十年後の次世代に渡るものであり、国家の基盤、繁栄に繋がるものです。

この数十年の日本の停滞の大きな原因の一つに「行政、公共工事の性悪説」といった価値観にあります。

実は民間企業も同様で株主の権利がクローズアップされたことにより、短期的な決算重視主義となり根付いてしまい、日本の技術力や競争力の低下はそれが原因の一つではないかと考えられます。

東京は徳川家康が江戸に入ってから地道な整備が進みました。また例えば利根川を東京湾から今の利根川に切り替えるといった大事業も何十年も掛けて行いました。幕府によるトップダウンで出来たので成し得た大事業です。


本来、社会資本整備という国家事業は、何十年単位で計画、評価していくべきものです。
今の日本の公共事業に対する風当たりや短期的な勘定で事業そのものを評価するというのはやはり違和感を感じざるを得ません。

震災後、新東名の静岡県内が開通した当初走りましたが、3車線あるのに1車線潰してのポール…愛知のトンネルだけ建設費削減の世論から2車線…ボトルネックになるだろうな。と。ここ以外3車線の意味とは…

混迷、錯綜した時代だな…と思った方も多いかと思います。


ただ、リニアに関してはJR東海という一民間企業の事業なので、駅周辺の再開発事業はともかく、リニアそのものの評価は株主にしか主張する権利はないのかな…と思ったりも。


また徒然。


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※  日銀の異次元金融緩和の意義、効果の補足



金融緩和は低金利にしてお金の流動性を高めるという意味があります。これは単独では当然ながら効果は薄く、それに見合った財政出動とともにしなければ意味はありません。

今更ですがアベノミクス3本の矢をざっくり書くと、⑴ 金融緩和、⑵ 財政出動、⑶ 規制緩和(構造改革)という不景気時の古典的な政策の発展版ですが、⑵、⑶をバックアップするために毎年100兆円もの金融緩和を進めてきました。

日本の低迷の根本的な原因は様々な構造問題にありますが、その解決は数年という短期では当然できません。ただ一時的にでも金回りが良くなれば、悪循環から抜け出せる糸口が見出せるかもしれないという期待からです。


なんで何百兆円もの「金融緩和」をするのかというと、本来は同時に大規模な財政出動です。ただ現実は、外部環境の大きな好転(アメリカなどの好景気、EUの経済的・政治的な泥沼脱出…があれば日本も景気が良く…)といった海外頼み、時間稼ぎの意味合いとなっているのが実情です。



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